Tomato's work&life Blog

仕事、生活面の雑記ブログ

未経験でも相談員になれる:社会福祉士の仕事とは?

 

f:id:sorano12:20210108182233p:plain

社会福祉士

 

近年、だんだんと福祉に対するイメージが変わりつつあるようです。福祉業界は、昔は社会のレールから落ちた人の行きつく先といわれていましたが、現在は福祉に対するイメージがだいぶ改善されてきました。

 

ただし、社会福祉士の資格は、相談員(ソーシャルワーカー)として働くにあたり必ずしも必要な資格ではありません。それでも社会人になってから資格を取る人は、福祉業界未経験の方、もしくは元々働いていてさらにスキルアップしたい人に分かれます。

 

社会福祉士の現状と、仕事の内容、メリットやデメリットについて、書いていきたいと思います。

業界的にも職業的にも、薄給で激務と言われがちな社会福祉士ですが、元々個人的に興味があった資格なので、私自身もこの記事を書きながら見つめなおそうと思います。

 

【目次】

 

社会福祉士とは何か?

 

社会福祉士とは、簡単にいうと、『高齢者や障がいを持つ方々が、快適な日常生活を送れるようサポートをする』仕事です。

相談員ともいわれますが、その仕事内容はただ相談を受けるだけではありません。

 

激務と言われがちなのは、相談を受けることにより精神的にダメージを受けやすいことも関係はしていますが、それだけではなく、相談業務以外にも事務作業等があり、どの職場も忙しい場合が多いからです。

 

例えば高齢者施設であれば、介護のサポートも行う場合があります。なかには介護の仕事は一切せず、相談業務だけに専念できるという施設もありますが、あまり多くはないと思われます。

大半の施設では、介護の仕事もやりつつ、相談業務をこなす相談員が多いでしょう。また、社会福祉士という仕事の知名度の低さから、軽視されがちな部分もあり、始めの2~3年は介護で経験を積まないと一切相談業務ができない場合もあるようです。

 

障害者施設も障害者の介助も行いながら相談業務をこなさねばならない可能性があり、激務になる可能性があるようです。施設にもよるので、そこは職場にもよるとしかいいようがありませんが。

 

社会福祉士の活動できる範囲

 

社会福祉士の活躍できる職場は、非常に多種多様です。それだけ、社会福祉士という仕事のカバー範囲は広く、資格自体の学習範囲も非常に範囲が広く、多岐にわたります

 

社会福祉士の合格率が25~30%前後と非常に低いのは、それだけ試験範囲の広さも関係していると言えるでしょう。しかしすべて選択問題のため、社会人でも専門学校に通学すれば1年で受かることも可能な資格です。ただし通信教育の場合、大学で福祉の指定科目を履修していない方は約1年6カ月はかかります。

 

しかし苦労して資格を取得すれば、活躍の幅は広いです。

高齢者福祉施設/障がい者福祉関連施設/医療機関/司法関係機関/福祉事務所/学校etc

専門学校のHPによると、主に高齢者福祉施設、医療施設で働く人が多いです。特に高齢者施設に就職する社会福祉士の学生が多く、4割近くに上ります。

それだけ高齢者施設での需要は高くなっており、施設の数も多いことが要因かと思われます。ただ介護の仕事を絶対にやりたくない人には、あまりお勧めできない就職先かと思われます。

 

また、学校や児童相談所等、子どもにかかわる仕事もありますが、間口がかなり狭いようです。子どもを相手にする仕事自体がデリケートな問題なので、あまり求人が公開されておらず、給料も安い場合が多いようです。

 

MSW(メディカルソーシャルワーカー)を目指す場合

 

社会福祉士が憧れる職場は、実は医療施設が多いらしく、病院等で働く社会福祉士、つまりMSW(メディカルソーシャルワーカー)になりたいという人が多いようです。理由は様々で、「白衣を着たい!」という人もなかにはいます(笑)

ちなみに、MSWとは、患者の退院援助と退院後の生活支援や、患者と家族が抱える医療費などの経済的問題の相談、病床の管理等を行います。

 

ただし、病院側が早く退院させて病床を空けたいが、患者側がまだ入院していたいという場合は板挟みになることもあるようです。医者や看護師、患者との間で板挟みになりやすいので、そういう意味では意志の強さが必要になります。

 

それでも、純粋に患者の悩みを聴いたり相談を受けることができ、キャリアアップすれば、病床の管理もしているので病院の経営にもかかわれる可能性はあります。

地域の地域包括支援センター等で働く場合は、様々な相談が舞いこむため、電話がひっきりなしに鳴る場合や、思ってもみないような相談がある場合もあるようです。私はあまり臨機応変に対応するのが得意ではなく電話も苦手なので、向いてないかなと思いました(笑)

 

社会福祉士の資格を取らずとも、相談員にはなれるけれど……

 

じつは資格がなくても、相談員になることはできます。なぜなら社会福祉士名称独占資格ではありますが、弁護士のように業務独占資格ではないからです。名称独占資格とは、資格がなければ社会福祉士を名乗れないということです。

 

そのため、資格がなくても相談員として働くことが可能です。といっても、医療施設で「資格なし」で募集しているところはほとんどない印象でした。医療施設、特に病院では社会福祉士保持者がいる必要があるためではないかと思われます。

『100床につき医療ソーシャルワーカー1名以上』が概ねの基準値なので、1人につき大体100人受け持つということになるのでしょう。

 

ただ、資格がなくとも相談員として雇ってくれる施設もあるかもしれないので、そういう施設で働くことに興味がある場合は飛び込んでみても良いかもしれません。

じつは、施設によっては働きながら資格をとる支援をしてくれるところも数は少ないですがあるようです。ただし介護福祉士等の仕事の場合が多いので、社会福祉士を取る支援をしてくれる施設は滅多にないと思われます。

 

社会福祉士の国家試験を受験する方法

 

受験資格を得られるのは、下記のような人になります。

4年制大学で指定科目を修めて卒業
・2~3年制の短期大学等で指定科目を修了したのち、1~2年以上の相談援助業務に従事
社会福祉士短期養成施設(6ヶ月以上)を卒業
社会福祉士一般養成施設(1年以上)を卒業

 

ちなみに、福祉に関係のない4年制大学を卒業した私の場合は、社会福祉士一般養成施設(専門学校)を1年通学するか、通信で1年6カ月以上学ぶ必要があります。

 

専門学校では卒業生に話を聞いたり、説明会があったり、仕事を紹介してもらえたりするので、通学のメリットは大きいです。また、実習があるので、実際の職場で働き学ぶことができますが、実習先によりかなり大変な目にあうこともあるようです……その辺は運ですね。

 

社会福祉士のメリットとデメリット

 

これまで書いた内容から、まとめると下記の通りになります。

 

メリット

〇仕事の幅が広く転職した場合も経験としてプラスになる
名称独占資格のため資格があれば就活で有利
〇国家資格の一種であり、一生ものの資格
〇誰かの相談に乗り直接感謝してもらえる

 

デメリット

〇相談業務だけでなく事務作業や介助業務等やる場合がある
〇給料が低いとよくいわれる
〇仕事が激務になりやすい
〇対人業務のため燃え尽き症候群(※)になりやすい

燃え尽き症候群…それまで精力的に仕事に打ち込んでいた人が、まるで燃え尽きてしまったかのように仕事への情熱や意欲を失ってしまう状態になること(対人業務に多い)

 

社会福祉士は、対人業務なので、相手によってはかなり精神的ダメージを受ける可能性もあります。理不尽に怒鳴られたり、悲しみをぶつけられたりするかもしれませんし、そうでない場合も全力で相談に乗り頑張りすぎると、突然動けなくなる可能性があります。

 

誰に対しても動じず、自分の芯をもち相手のために行動することが必要になります。

 

そのため、それなりの覚悟をもたねばならないでしょう。

まだまだマイナーな資格であり仕事なので、これを機に知っていただけると嬉しいです。

 

社会福祉士は、求人の数等についてはあまりコロナの影響を受けていないと学校側が述べていたので、そういう意味ではお勧めの職の一つであるといえるかもしれません。