管理業務主任者(マンション)とは?じつは宅健と並ぶ「不動産三冠王」かつ難易度の低い国家資格
皆さんは、管理業務主任者という資格はご存知ですか?
コロナ禍で転職活動に難航していましたが、そのなかで2回ほど、不動産業界で就職したら管理業務主任者を取るべきとされる事務系の仕事に出会いました。
ただ、この資格を取っていて有利なのはマンション管理を行う会社なので、不動産全体ではなく、活躍できる場が限られています。現在マンションは年々増加しており住む人も多いので需要はありますが、若い方は宅地建物取引士を目指した方が多方面で役に立つ可能性が高いです。
私の場合は、身近にマンションを管理している人がいるため、その手助けもできるということと、元々住宅よりもマンション派のため、マンション管理についてを学んでおけば将来仕事以外でも役に立つかと思い、この資格に興味を持ちました。
この資格は国家資格でもあり、マンション管理士とともに取得するとダブル資格保持者になれるのでお得でもあります。ちなみに取得者は男性が多く40代以降の男性が老後も働き続けられる仕事として選ぶ場合が多いようです。
【目次】
管理業務主任者を取るとどんな仕事ができるの?
この資格を取って仕事をする場合、 管理業務主任者はマンション管理専門の契約プロとして働くことができます。
主に、管理の前提となる管理受託契約の重要事項説明から、受託した管理業務の処理状況のチェック及びその報告までのマンション管理のマネジメントを行っています。
マンション管理業者には事務所ごとに、また30管理組合につき1名以上の管理業務主任者の設置が義務づけられているため、「必置資格」であり、「独占業務」を行うことができる資格です。
そのため、宅地建物取引士が不動産取引のプロであるのに対し、管理業務主任者はマンション管理専門の契約プロなのです。
管理業務主任者とマンション管理の違いと難易度の差
管理業務主任者とマンション管理士は同時に取ることが推奨されている資格です。どちらも国家資格ですが、範囲が被っているところがあり、管理業務主任者試験に合格するとマンション管理士試験で5問免除され、マンション管理士試験に合格すると、管理業務主任者試験で5問免除されます。
そのためどうせ資格を取るならどちらも取った方がお得ということになります。また、両者の違いは活躍できる場が微妙に異なるため、どちらも取っておけば活躍の場を広げることができます。
マンション管理士
管理組合側の立場に立ち建物の保全や管理運得にかんする総合的なアドバイスを行う
管理業務主任者
管理会社に所属し、管理業者側の立場から受託契約上の説明や管理状況のチェック・報告を行う
マンション管理士は管理組合、管理業務主任者は管理業者の立場に属するため、活躍の場が異なるということです。
また、難易度はマンション管理士の方が高く、「不動産三冠王」のなかでも最も合格率が低い資格です。マンション管理士の平均合格率は7〜9%に対し、管理業務主任者の平均合格率は20〜30%であり、かなり難易度に差があることがわかるでしょう。
範囲が被っているとはいえ、やはりマンション管理士の方が範囲が広く難易度も高いため、もし資格を取るのであれば両方取ることができれば将来不動産業界においては、有利に働くでしょう。
また宅地建物取引士の平均合格率は15〜17%であり、難易度を比較するとマンション管理士>宅地建物取引士>管理業務主任者の順になっているといえます。
受験資格
資格においては、ある特定の単位を大学でとらないといけなかったり実習が必須だったりするものもありますが、この資格については、マンション管理士、宅地建物取引士とともに年齢、性別、学歴、国籍等一切を問わない資格です。
どなたでも受験できるので、サラリーマンでも主婦でも誰でも取れます。
また、これはマンション管理士の方の情報ですが、平成30年度のデータによると、年齢層は40~50代多く、全体の50.0%を占めています。管理業務主任者もシニア層に特に人気が高い資格なので、おそらく受験者層も似ていると思われます。
マンション管理士の受験者数の男女比
マンション管理士の受験者数の男女比は、男性10,791人、女性1,598人と約87%と、男性が多めです。
ただ女性である私のような事務系職種希望の人間にとっても、不動産業のうちマンション管理業に携わりたいのであれば、この資格を取っておいて損はないでしょう。